授業のおはなし会では、先生が、教科で教えている内容とタイアップさせたいと
考えられて、テーマをリクエストされることが、よくあります。
新美南吉、宮沢賢治、斎藤隆介……
3年生で初めて理科を習うから、蝶についてとか、6年生で12歳が主人公の物
語とか、環境問題とか。
こういったテーマは、ブックトークの領分だと思います。
もちろん、子どもと本をむすぶ方法として、ブックトークは手っ取り早い方法だ
と思います。
でも、わたしは、「音声としての言葉」から物語を楽しむ力を養うことが、「文
字としての言葉」から物語を楽しむ力に直結すると考えています。
つまり、お話を聞くことで、「言葉」という抽象性の高いものを使って具体的な
イメージを想像することができるようになる。その力さえつけば、やが て文字
を読むテクニックが向上してくると、こんどは文字であらわされた「言葉」から
想像することは容易だと思うのです。
おはなしは、子どもの言葉の力をつけることで、基本的に子どもと本を結びつけ
ると考えているのです。
といっても、私がおはなしを語るのは、子どもと本を結びつけるためではありま
せん。
語るその瞬間にその物語をともに楽しみたいからです。
そのことで、人間だけの持つ能力、言葉の力をつけたいと思うのです。
ことばの力は、想像力であり思考力です。
学校の勉強のできる子、ではなく、賢い子になってほしいと思うのです。子ども
は、私たちの未来です。
ははは。ちょっと遠回りしましたね。
つまり、先生の希望とこちらの目的がほんの少しずれているといいたかったので
す(笑)
それで、プログラムに、いろいろと工夫をすることになるんですね。
わたしがいまこの子たちに聞いてほしいと思う話と、クエストされたテーマとを
いかに結びつけるか。
まあほとんどこじつけですけど(笑)
でもそのおかげでプログラムに厚みが出てくるし、ひとつのものとしてまとまる。
けっこう楽しんでやっています。
そのテーマの本をどさっとおいて帰るので、先生たちはよろこんでくださいます。
もちろん子どもたちも。
一挙両得です。
ヤン
そうなんです!
そうなんですよね!
ボランティアとして、授業の1時間を頂く、そこのところの
基本的な意義 というか、
姿勢 というか、考え方。
大事なところ。
決してボランティアのおばちゃんの
趣味の発表の場ではない っていう。
責任感持ってやらないと、いけませんですねぇ。身を引き締めます…